2014年09月12日

「美術館」(4)

ダ・ヴィンチの絵を見に行ってから空白の2ヶ月が過ぎた。

我々はコンピューターを使ったドラッグデザインを駆使し、最適の金属を探し続けた。

もちろん、文献漁りも続けている。



ルネッサンスの万能科学者の願いをかなえるために、いや、リウマチの痛みに苦しんでいるために、そして、我々のプロジェクトチームの存亡にかけて、一刻も早く薬を完成させたかった。

リウマチだと思われる病気に対する各地の民間療法、伝承、いいつたえ。

あらゆることを調査した。

人間は過去、梅毒から結核まで、全ての病気に対して、なんらかの治療を試みてきた。


植物はもちろんのこと、動物、魚、爬虫類から鉱物まで、試してない分野は無いとまで言える。

時に、カビが助けてくれたり、薬草の根が効いたりしながら、今の薬物療法が成り立っている。

呪文とトカゲの尻尾の延長に我々はいる。

ゲノム科学の普及により、より戦略的なドラッグデザインができるようになったとは言え、まだまだ天然のものから薬が見つかることは多かった。

我々はやっと大海に出た若い水夫なのだ。


posted by ホーライ at 02:12| ミステリィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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